境界の彼方というアニメが大好きです。

境界の彼方は、特にここ二年くらい、ハマっているアニメがあるわけでも、見続けているアニメがあるわけでもない私が、未だに何周も何周も見てしまうくらいだいすきで仕方ない作品ですね。

私の大好きな、「互いに似た境遇を持つ美少女と冴えない男子が出会って惹かれ合う」ストーリーが軸でありつつ、基本的にはずっとシリアスな展開が続いてて、一度なんとなく見ただけでは分からない伏線だらけの内容、1周目と、物語を全部知ってから見る2周目では全く見え方が変わる計算された展開と演出、全体を占めるシリアス要素を問答無用でかき消す個性が強いキャラクターの掛け合いとギャグ…。

すべてが全部自分好みで、何度見てもまた見かえそうと思ってしまう作品です。

なにがそんなに好きかと聞かれると困るのだけど、一番分かりやすいのは、やっぱり出てくるキャラクター達がみんな愛おしくて可愛くて大好きという点ですね。


まず主人公の栗山未来ちゃんが可愛い。

妹要素がありつつ、メガネがめちゃめちゃ似合う、ちょっと強情で、不愉快をネットに撒き散らしてブログが炎上しがちな、かなり訳ありの呪われた一族の美少女です。

いつもお腹を空かせてて、嘘が付けないちょっと天然な可愛い女の子ってもう反則でしかない。

流石京アニの女の子←


でもそんな小動物系の可愛い可愛い栗山さんが、自分の血で作る武器を振り回してとにかく戦って戦って戦いまくります。


むしろ物語の半分は栗山さんの戦闘シーンで成り立っていると言っても過言では無いほどの戦いっぷりで、物語のもう1人の主人公でもあり、栗山さんの学校の先輩で半妖の神原秋人があまり戦うキャラではなく、むしろ守られる側であるというその構図とギャップが私の琴線にビンビンと触れています。

可愛い女の子が制服姿で武器を振り回しているというシチュエーションが、やっぱりこの作品の一番の魅力じゃないのかなぁ、と思います。もちろんそれ以外にも語り尽くしたい魅力があるのですが。


そしてやっぱり外せないのがもう1人の主人公、神原秋人。

メガネと眼鏡とめがねだけを一途にこよなく愛する
存在しえないはずの不死身の半妖夢。の変態。

というか、先に言っておくとこの物語に出てくる男性キャラクター、みんながみんな何かしら変態的な面を垣間見せてくれるという愛すべき特徴があります。

自殺未遂(?)の栗山さんを助けようとしたら逆に胴体をブスリと刺されて殺されかけたにも関わらず、その後メガネが似合う美少女が欲しいという理由で栗山さんをしつこく自分の所属する文芸部に勧誘するというかなり危ない一面を持った可愛い高2の男の子です。あとツッコミが圧倒的に足りない個性強めなメンツの中で、唯一まともにツッコミらしいツッコミをしてくれる子でもある。


そんな不死身で半妖のアッキーの可愛さはなんと言っても栗山さんへの愛ですね。

私は基本的に主人公の男の子がヒロインを(恋愛感情かどうかは置いといて)気にかけるという構図にめちゃくちゃ弱いので、物語の序盤で栗山さんにしつこく構うアッキーが健気で可愛いなぁーと思ってしまうんですね…。もちろん栗山さんがメガネ美少女なのを差し引いても、何か放っておけないという似たもの同士の惹き合いみたいなのが感じられるという点が序盤の大好きな要素の一つですね。



そしてそんなアッキーを「観察」している高2で同じく文芸部の名瀬美月。栗山さんとはまた違った黒髪ストレートのクール系美少女で、後述の変態シスコンお兄ちゃんと、同じく変態のアッキーに囲まれて少し性格がキツくなってしまったちょっと不憫な女の子。

美月は地元の名士でもあり、異界士として地域一帯を牛耳る名瀬家の娘であり、いろいろと物語を引っ張ってくれる存在ですね。


日々アッキーや兄を罵倒している美月ちゃんの魅力は、もちろんその悪口のバリエーション、ではなく、やっぱり兄や、絶対的権力を持つ姉の泉とは何か違った意志でアッキーと関わっている感じが良いですね。

美月は秋人のことが好きだったのかどうか、というのは今でも私の中でいろいろと思うところがあって。物語としては完全にアッキーと栗山さんの二人の話で、そこに誰かが介入できる余地すら無い感じなんだけど、もしかしたら美月もヒロインになれたかもしれないような、そうでもないような、全く作中で描かれていないだけで実はそういうフラグもあったんじゃないかという、なにがある訳じゃないけど切ない気持ちになるのが美月の存在ですね…。


でも秋人×栗山さんのかっぽーに全力で愛を捧げたい私としては、単純に考えすぎだとも思ったり思わなかったりします。



そして美月の変態シスコンお兄ちゃんこと高3の名瀬博臣。物語の中で序盤は何か謎を握ってそうなキーマン的な人かと思いきや、後半はもうただの変態お兄ちゃんと化したなかなかぶっ飛んだ人物。

マフラー愛用者で冷え性な博臣はアッキーの脇に手を突っ込んで温めるという癖もある。


美月と同じく自ら色々なことを調べて回っていた。アッキーとは昔色々あったのだけど、普段の2人の変態トークはシリアスな過去すら無かったのかもと思わせるような、なんだか不思議な関係ではある。


でもこの物語の一番の特徴は、キャラクター同士の和気あいあいとした掛け合いとは裏腹に、キャラクター一人一人が抱える孤独みたいなものが同時に感じられるということ。


周囲との関わりがないわけではないけど、イコールそれが孤独を取り除いてるわけではなく、どうしようもなく彼らの根本から既に孤独であるということ。


それがどう変化していくのかが見ていて楽しい作品だと思う。


主要なこの4人以外に、もっと個性的なキャラがたくさんいるのだけど、それはまた次に書きたいと思います。




この話を語る上で、キャラの魅力の次に推したいポイントは、やはり張り巡らされた伏線だと思う。

基本的にこの話は週1で流し見するだけじゃ理解出来ないように出来てるんですね。そこが 挫折ポイントらしいんですけど、根気強く最後の三話まで粘れた、何度も前半の話を見返していた人だけが感動出来る構造になっているんです。


勿論ライトな視聴者には着いていけないとは思うんですが、意味不明だと切り捨てるのはかなり勿体ないことをしているんですよ。一話一話丁寧に見ていけば理解できるようにキチンと伏線が張ってあったし、なによりネタ明かしの回で感じた感動を記憶を消してもう一度体験したいくらいです。

そういう攻めた作品を敢えてやったという姿勢や練り込まれた脚本が大好きで、この作品の世界観やギャグの組み込み方など全てを含めてこの作品が大好きなんですね‥‥。


もちろん綺麗な作画で、女性陣のみならず、すべてのキャラクターの可愛さは序の口で、戦闘シーンや色々な風景をこんな綺麗な絵で見られるなんて‥‥と感動します。



これが京アニクオリティ。


でもそれを超える脚本が好きだった。


説明が省かれている分、色々と考えながら、でも少し考えればすぐに納得させられる。そんなちょうど良いバランスで作品を楽しめた。



次はネタバレ含めて色々と感想を言っていきたいですね。